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【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】

第9章 Tutsan -悲しみは続かない-





イルミ様は私の腕に軽く触れる。


「キミの体すごく冷たい。寒いよね。ずっと震えてる。唇も真っ青」


私は涙を拭い、首を横に振った。


「平気です…。慣れっこですから」


昔から母の虫の居所が悪いとよく水をかけられた。

ガラスポットの飲み水や花瓶の水をひっくり返して浴びせられたり、花壇のホースから水を当てられたこともあった。

フランやベラードが気付いてくれるけど、それ以外は大抵一人で…。


「今はこうしてイルミ様が抱き締めてくださってる…。だから大丈夫…」


私は穏やかに笑って、少し強がって見せた。

でも、イルミ様はただ私をじっと見つめていた。


「今のはオレでもわかるよ」

「え?何がでしょうか…?」

「無理してる」


私は驚いて目を見開く。


「そ、そんなことありませんわ!」

「嘘。だってまだ泣いてる」


頬に触れてみると、彼の言う通りまだ涙が伝い落ちていた。


「ごめんなさい…」

「さっきから謝ってばっかり」

「…ごめんなさい。…あ」

「ほらまた」


イルミ様は私の頬に手を添え、涙を親指で拭ってくれた。


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