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【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】

第9章 Tutsan -悲しみは続かない-





「ヒシタ」

「はい」


ヒシタさんが返事をした瞬間、イルミ様からぶわりと突き刺すように凍てついたオーラが吹き飛ぶ。

怒っている…というレベルを大きく超えている。

これが…本物の殺気ーー…


ぞわりと背筋が凍りつく。

私に向けられたものではないけれど、部屋に充満していくこの凄まじい怒りに身動き一つ取れなくなる。


「も、申し訳ございませんでした」


ヒシタさんとその周りにいた燕尾服の男たちは冷や汗をかきながら、イルミ様に深々と頭を下げた。


「早く別宅に彼女の部屋用意して。他にも必要そうなもの全部」

「かしこまりました」


彼らはまるで逃げるようにその場から立ち去っていった。

早足で駆けて行く足音が遠退くと、イルミ様からふっと殺気が消えてなくなった。


「もういなくなったよ。安心して。オレとキミしかいない」


私に振り返ったイルミ様の顔を見て安心する。


良かった…。

いつものイルミ様だ…。


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