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【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】

第9章 Tutsan -悲しみは続かない-





きっと敷地に無断で入ったから…。

私がヘマしてしまったからだ。


どうしよう、どうしよう…。

まずは謝らなきゃ…。


「ご、ごめんなさい。逃げ場がなくて敷地に勝手に入ってしまって…それでこんなことに…。怒って…ますか…?」


私はイルミ様に恐る恐る尋ねる。


「うん。怒ってるよ」


感情の無い顔に対して、ぶわりと殺気に似た怒りの感情が辺りに充満した。

思わずビクッと肩が震える。


失敗した…。

失敗しちゃいけないところでやってしまった…。

息苦しくて呼吸がうまくできなくなる。

ただでさえ体が冷え切っていると言うのに、さらに一気に体温が下がったように悪寒がしてきて、手足の震えが止まらなくなる。

怒られる、怒られる、怒られるーー…


「ご、ごめんなさい…っ。ごめんなさい…。ごめんなさい…」


両親といた頃と同じ目に遭う…。

怖い…。

また怒られる。

ぶたれる。


私が何かに失敗したり、ヘマをすると、父は私を怒鳴り、体に痣ができるほど殴られた。


食事の時にフォークを落としたりーー…

成績が少しでも落ちたりーー…

父が連れて来た私の"相手"が満足できなかった時もーー…


全部がフラッシュバックする。


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