【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第9章 Tutsan -悲しみは続かない-
「…は、はい」
どうしたんだろう…。
不安を覚えながらも、私は言われたとおり部屋の一番奥へと退がる。
その瞬間、イルミ様が右脚を上げて時計回りにクルッと勢いよく体を回転させたーー…
ドッッッ
イルミ様が思い切り檻を蹴り破る。
黒い鉄格子が一瞬にして粉々になり、鉄片がそこらじゅうにちらばった。
「きゃっ!」
思わず腰を抜かして尻餅をつく。
固いコンクリートに腰を打ちつけ、痛たたとお尻をさする。
同時に、私の頭上から影が落ちてくる。
「あ、イルミ…様…」
見上げると、イルミ様が立っていたけど、すぐにすっと私の前にしゃがんでくれた。
「水、かけられたの?」
「え、あの…はい…」
イルミ様…いつにも増して表情がない。
声のトーンも少し低い。
「何でか気絶してしまったようなので、お、起こしていただいたと言いますか…その…」
雰囲気だけでわかる。
イルミ様、相当怒ってる…。
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