【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第9章 Tutsan -悲しみは続かない-
アリアと黒服に殺されそうになりながらも、命からがら逃げて来て…。
ようやく安堵できる場所にたどり着いたと思ったら、今度は燕尾服の男たちに尋問されて…。
何で、何で…こんなことになったんだろう…。
何を言っても信じてもらえない。
いつになったら、この牢屋と寒さから開放されるの…?
もう、心が折れてしまいそう…。
「イルミ様…早く来て…っ!」
「何してるの?ヒシタ」
「!」
その声に、私はハッとして檻にしがみつく。
鉄の冷たさが手のひらの傷にしみるが、構いやしない。
「はい。侵入者を捕らえました」
ヒシタと呼ばれた茶髪の男が立ち上がると、右側の通路から歩いて来た"彼"が私の視界に映った。
「イルミ様!!良かった…。来てくださったのですね…」
待ち望んだ彼の姿に、私はこの上ない安堵で涙が溢れ出そうになるのを必死に堪えた。
しかし、イルミ様は檻の中にいる私を見るなり、目を見開いて拳を固く握り締めた。
「リリア、奥にいて」
イルミ様の纏う雰囲気が突然変わる。
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