【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第9章 Tutsan -悲しみは続かない-
「イルミ様が…約束、してくださいました…。必ず迎えに行くと…」
今ここで唯一信じられるのは、イルミ様との約束。
誰が何と言おうと、彼の言葉を信じたい…。
絶対に迎えに来てくれる。
「その約束と言い、ここへ来た理由と言い、嘘もここまでくると拍手喝采ものだな」
でも、その言葉も足蹴にするように鼻で笑い飛ばされる。
それでも、それでも…イルミ様との約束を、彼が言った言葉を、なかったことにしたくない。
「本当、なんです…全部…全部…っ。イルミ様を頼りに…ここまで…」
私は凍えそうになりながら懸命に言葉を紡ぐ。
「先程も…イルミ様に、助けていただいたのですが…敵に追いかけられて、こ、この敷地の中に…入って、しまって…」
ガタガタと震えが止まらなくなってきて、口をよく動かせない。
コンクリートに触れている足の感覚も、いよいよ無くなってきた。
本当なら山を登ったり草藪に入ったりしてすり傷だらけだから、染みて痛むのが当然のはずなのに…。
冷たい…。
寒い…。
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