【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第9章 Tutsan -悲しみは続かない-
「いつもならミケに喰われるか執事見習いが追い返すのだが…お前は危険だ。ミケを手懐け、その美貌でイルミ様に取り入ろうとしているのが見え透いている」
「ちが…!決してそのようなことは…。私…イルミ様に感謝していて…」
「感謝?」
「そう、です…」
寒さで震えて呂律がうまく回らない。
じっとしているだけでも、奥歯がガタガタと音を立てる。
かじかんだ手を温めるように、口元に両手を当てて震えながら息を吐いた。
「…話にならん。イルミ様はお忙しい。お手を煩わせるわけにはいかない。我々執事のみでお前の処分を決める」
彼は立ち上がり、再び私を見下ろした。
その目に哀れみも蔑みもない。
ただ物を見るような目で私を見ていた。
「お前のような者はイルミ様にとっては道端の雑草以下。すぐに忘れられて終わりだ。あまりしつこいと殺されるぞ」
そんなことない…。
イルミ様は私に絶対そんなことしない。
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