【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第9章 Tutsan -悲しみは続かない-
どちらにせよ、私はただの一般人。
特別なものなんて何一つ持ってない。
着の身着のままここまで来たのだから…。
「私には特別な力なんて大層なものはありません。本当に…ただ偶然、友達だったんです…」
でも、彼は私に疑いの目を向けたままため息をついた。
「質問を変えよう。なぜここに来た?」
「イルミ様を、頼りに…」
「お前のことは把握している。リリア・シュピールツォイク…巨大トイメーカー、シュピールツォイク家の令嬢。以前にもここへイルミ様に会いに来た経緯がある。そしてーー…」
彼は鋭い眼差しで私を睨みつけた。
「イルミ様に両親を殺されている。イルミ様を恨み、復讐しに来たのでは?」
「そ、そんな…」
復讐なんて、とんでもないわ。
私はただ…助けを求めに来た。
それだけなのに…。
でも、寒さとこの状況に憔悴している私はそれさえも言葉にならず、小刻みに首を横に振ることしかできなかった。
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