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【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】

第8章 Water lily -信頼-





でも…何でかな。

私なら大丈夫な気がする。

その鼻先にそっと手を近づけ、そおっと撫でてみる。

すると、獣はきゅうんと鼻を鳴らし、私の頬をぺろりと舐める。


その瞬間、私の中の古い記憶が蘇った。


「も、もしかして…」


幼い頃…一人で花を摘みに野山へ行った時、大人の馬くらいの大きさの狼が足を怪我して倒れていたのを介抱したことがある。

私より大きいのに、悲しげに遠吠えして泣いて助けを求めていたその狼は、私と同じでまだ幼い子供なんだとわかった。


私は家に飛んで帰り、フランやベラードに必死になって相談したのを覚えてる。

それから、包帯やら薬やらをたくさん家から持ち出して、幼いなりに頑張って治療して、足の怪我が治るまでその野山に通い続けた。


そして、その狼は私に会うといつも尻尾を振りながら鼻先を近づけてくるから、そっと撫でると頬をぺろりと舐めてきた…。

それと同じ仕草を、今…この目の前の大きな狼がしてる。

ということはーー…


「もしかして、あの時の…?」


狼は頷くように、また尻尾を大きく振った。

懐かしさから思わず笑みがこぼれる。


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