【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第8章 Water lily -信頼-
すると、すぐに黒服たちが私の後を追って、私と同じ木の扉から門の中へと入って来た。
大丈夫…。
こんな広い森で見つかるはずない。
それに、もうすぐイルミ様が迎えに来てーー…
「うわぁあああああああッッ!!!」
突然、男の絶叫が森に響いた。
びっくりして息を飲むも、何が起こったのかと恐る恐る叫び声のした方を覗く。
黒服たちの前には、大きな大きな狼のような黒い獣がぺろりと舌舐めずりをしていた。
その下に転がるのは懐中電灯と…骸骨。
私はヒッと口から思わず出そうになった言葉を両手で塞ぐ。
そこからは阿鼻叫喚だった。
次々と噛み殺され、食べられていく黒服たち。
バリバリという骨の砕ける音。
耳をつんざくような悲鳴の連続。
ホラー映画とは比べ物にならない程のあまりの衝撃に、私は目を閉じることも背けることもできず、ただ固まっていた。
そんなのを一部始終を見てしまい、私は恐怖で泣きそうになりながらも、やっとの思いで両目をぎゅっと閉じる。
両手で口を塞いだまま息を殺し、あの獣が過ぎ去るのを待つ。
待っていたの…だけどーー…
_