【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第8章 Water lily -信頼-
でもーー…
「イルミ様…」
まだ、奴らはそこにいる。
私たちに、近付いてくるーー…
「振り返らずに走って。それからどこかに身を隠す。できる?」
イルミ様が小声で私に囁く。
走って身を隠す…。
背中から撃たれるかもしれない…。
そう考えただけで背筋が凍る。
…でも、そんなこと言ってる猶予は一刻だってありはしない。
やるしかない。
「キミは何も考えずにただ前を見て走ればいいよ」
そうは言っても怖いものは怖い。
「大丈夫。オレがいるから」
…そうだ。
私が一番信頼してるイルミ様がやっつけてくれるんだ。
大丈夫……大丈夫…。
私は覚悟を決め、震えながらも首を縦に振った。
「どこにいても必ずオレが迎えに行くよ」
私は安心感を求めるようにイルミ様の手を握る。
「約束、ですよ…?」
イルミ様と繋いでいた手の小指を絡ませて指切りをする。
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