【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第8章 Water lily -信頼-
疲労と達成感でその場にへたり込んでしまいそうになったけど、ここがゴールじゃない。
私はゼブロさんがいた小屋のドアに駆け寄る。
ドアや窓から明かりは漏れていない。
「ゼブロさん!ゼブロさん!!」
ドアを必死に叩く。
でも、やっぱり中から誰の反応もなかった。
今度は窓の方へ行って、窓ガラス越しに目を凝らして中をよく覗いてみたけど、やっぱり誰もいない。
私は試しの門へ近付く。
触れてみると、とても冷たかった。
冷たくて…私じゃどうしようもできない圧力を感じる。
それでも、どうにかしなきゃという一心で上半身全部を鉄の扉にくっつけて思い切り押してみる。
案の定びくともしない。
試しの門を開ける力なんて、私が持ち合わせてるはずもない。
目の前にそびえ立つこの門が夜空の遥か彼方まで続く頑強な壁に思えた。
イルミ様への道のりが…こんなにも遠いなんて…。
すると、静かな山の砂利道をタイヤが踏むジャリジャリとした音がかすかに後ろから聞こえた。
振り返ると、まだ小さいけど2つの白いヘッドライトが光っているのが見えた。
もの凄いスピードでこっちに来てる…!
どうしよう!
早くこの中に入って会いに行かなきゃいけないのに…!
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