【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第8章 Water lily -信頼-
「はっ…はぁ、はぁーー…」
息を切らしながら夜の山をひたすら登る。
山の上だからか、月明かりが煌々と辺りを照らしてくれてるから、足元と少し前を見る分には問題ない。
おかげで私は一人でもちゃんと目的地に向かって歩けている。
心細くないわけじゃない。
風が吹いてざわざわと木々たちの葉が擦れ合う音が怖くないわけじゃない。
でも、この音と私の足音しかしない間は、私は追い付かれてないってこと。
クラピカさんがみんなやっつけてくれたのかな。
でも、そうだとしたら何でクラピカさんは来ないのだろう。
まさか相討ち…?
…いや、そんなはずはないわ。
きっとクラピカさんなら大丈夫。
私はそう自分に言い聞かせ、土塗れで棒になった足をただひたすら前へ前へと動かす。
「あ…」
いつの間にか、月明かりがなくなって真っ暗になっていたことに気付く。
不意に前を見上げると、暗い夜空にそびえる石門が私に影を落としていた。
ようやく…試しの門に辿り着いたんだ…。
_