第9章 守りたいモノ
"ガラッ"とドアが開く。
「おい。なにしてんだよ。」
そこに居たのは…
貴『夕…先輩…ッ』
西「夢杏!!てめぇ夢杏になにした!」
掴みかかる夕先輩。
その目は殺気に満ち溢れていた。
「別になんもしてないっすよ笑!話してただけっす笑」
そう笑って誤魔化し走って逃げた
西「夢杏!大丈夫か?!何かされてないか?!」
貴『夕先輩…ッ』
西「お前なんで顔、赤くなって…まさか、殴られたか…?」
震えている夢杏を見て全てを察した。
貴『あっ…いや…これは…』
必死に誤魔化そうとしても震えが止まらず、うまく言葉にできない。
そんな夢杏を見て、
西「ごめんな…怖かったよなごめん」
そう言って"ギュ"ッと抱きしめた。
貴『夕先輩…は…』
西「どうした??」
少し距離を取り心配そうに話しを聞く夕先輩。
そんな夕先輩を見て夢杏はこう言った。
貴『夕先輩は…本当に守護神ですね…!!」
笑顔で…
西「なに言ってんだよ!守ってやれなかったクッソ…ごめんな」
貴『守ってくれましたよ!夕先輩が来てなかったら私なにされてたかわからないですし!本当にありがとうございます!』
そう話す夢杏を見て驚く夕先輩。
西「夢杏、他にケガはないか?」
貴『大丈夫です!』
これ以上心配をかけるわけにはいかないと、バットで殴られた事は秘密にした。
西「ならよかった…心臓がまじで止まるかと思った…一体アイツは誰なんだ」
貴『クラスのサッカー部の人です…前から何度か話しかけて来てたんですけど苦手で…それに腹を立てたんだと思います…」
西「それ大丈夫なのか?確か、月島達とクラス一緒だよな!俺から話して…」
貴『それは!言わないでください…部活のみんなにも…先生達にも…心配掛けたくないです。お願いします』
そう言って頭を下げる夢杏
西「わかった。そこまで言うなら俺からは言わねえ。でも次なんかあった時は俺が守る。」
貴『ありがとうございます!クラスの方は大丈夫です、蛍がいつも助けてくれるので!本当に頼もしいです!夕先輩』
西「今日の部活はやめとくか?」
貴『行きます!不審がられるので。それと楽しみだったので!』
西「わかったなら行くか!」
その後、部活に向かった。