第9章 守りたいモノ
西谷side
夢杏に早くお礼を言いたい!
そう思って、1年クラスに向かった。
夢杏のクラスに来て、クラスメイトに聞いたらもう部活に行ったと言っていた。
"夢杏やつ、どこ行ったんだ"
廊下をウロウロ探しているとダチから声を掛けられた。
「おーいノヤっ!なにしてんだよ〜」
西「夢杏探してんだよ〜いなくてよ!」
「夢杏ちゃんって、昼話してた可愛い子か?!」
西「あぁ!そうだ!超絶可愛い子だ!」
「お!それならさっき美術倉庫の方で見かけたぞ!」
"美術倉庫…?なんでそんなとこに?"
西「そうか!ありがとな!」
そうダチには告げ、美術倉庫に向かった。
何故か嫌な予感がした…
"ガラ"ッとドアを開けるとそこには
震えている夢杏と男。
床には金属バットが転がっている…
その瞬間なにかあったんだと思った。
「おい!夢杏になにした?!」
俺がそう言うと誤魔化して逃げた
「大丈夫か?なにかされたか」
そう言って夢杏の顔を除くと赤くなっていた。
「殴られたのか?」
誤魔化そうとしているのがすぐにわかった。
俺は抱きしめることしか出来なかった…
それでも夢杏は笑って答えた。
"本当に守護神ですね"って…
なんでこんな時まで笑ってんだよ
体こんなに震えて怖かったくせに…
他にケガはないようだから少し安心した。
部活のみんなにも事情を話すべきだと思ったけど、夢杏に言わないでほしいと言われたから言えない。
クッソ!!!
なにもしてやれない自分に腹が立つ
もちろんチームも大事だ。
でもそのチームもあるのも夢杏が居てくれたお陰だ。
次は絶対に守ってやる。
"俺が守りたいモノ"は俺が守る
守護神なんだから。