第9章 守りたいモノ
月島side
席替えをしたら夢杏の後ろの席になった。
見てると危なっかしいから目の前に居てくれると
一々見る手間が省ける。
いつの間にこんな目で追うようになってんだろ…
バカみたい。
ー昼休み
購買から帰ってくると夢杏が
またサッカー部の奴から絡まれていた。
なんでまた震えてんの。
なんで誰かに助け求めないの。
ほんとバカ。
そう思ったら、体が勝手に夢杏を掴んでいる腕を振り払っていた。
「なにしてんの?」と聞くと
"連絡先を聞こうとしていた"と答えた。
は?こんな嫌がってんのに?
震えている夢杏を見て、無性に腹が立った。
夢杏が心配そうな声で僕の名前を呼ぶ。
気づいたら"グイッ"と自分の方に引き寄せていた。
それを見たからか相手はどこかにいった。
"ありがとう"と無理に笑ってみせる夢杏
怖かったくせになんで無理してんのホント
友達から呼ばれた夢杏を引き止めて言った。
「頼れば」って。
そうゆうと今度はいつもの笑顔で
"ありがとう"と言う。
そんな夢杏をみて思った。
こんな想いをしたのは初めてだった
僕の"守りたいモノ"
あぁそうか。
僕は夢杏が…