第9章 守りたいモノ
貴『びっくりした〜汗!んで!なんで蛍?』
友3「いやいや、それはーねぇ〜」
友1.2「ねぇ〜♡」
3人とも声を合わせて頷いている。
貴『え!なに!!』
友1「ホント鈍感!」
友2「まあ月島くん自体がまだわかってなさそうだし〜」
友3「そのうちわかるっしょ!」
全然会話についていけない夢杏…
そうこうしているうちに次の授業の時間になった。
ー授業も終わり昼休み
ご飯を食べようとお弁当を鞄から出していると…
「夢杏ちゃん!あのさあ連絡先教えてくれなーい?」
またあの人…
無意識に少し声が震える夢杏。
貴『…えっ…ご、ごめん…今からご飯食べるから…』
「えぇ〜いいじゃん〜すぐ終わるし〜」
そう言って腕を掴まれる。
"ビクッ"と体が反応して段々震えてくる。
貴『や…やめッ…』
夢杏が言いかけたその時。
月「ちょっと、なにしてんの?」
夢杏を掴んでいる腕を蛍が振り離す。
「な、なんだよ!連絡先聞こうと話してただけだろッ!」
相手がそう言うと、蛍が冷たい目で見下ろしながら言った。
月「嫌がってるように見えたけど?普通さ、わかるデショ」
貴『…ッ…蛍ッ…』
"大丈夫"と言ってるかのように、蛍は夢杏を自分の方に引き寄せた。
それを見たからか、
「あぁそーかよ」
そう言って連絡先を聞くのは諦めてくれた。
貴『ありがと…ッ…ニコッ』
ぎこちない笑顔で笑ってみせた。
月『ホント世話焼かせないでよね。』
そう言って、夢杏の頭を"ポンッ"と叩いた。
貴『優しいねやっぱニコッ』
普段の笑顔になる夢杏。
月「うるさい。」
直球に褒めてくる夢杏に照れる蛍。
友1「夢杏ー!なにしてんの!早くたべよー!」
貴『あ!うん!今行くー!蛍、ありがと!ニコッ』
そう言って友達の元に行こうとすると
月「夢杏ってさ、我慢得意デショ。僕の前では我慢しなくていいから。困ったことあったらいつでも頼れば。」
いつもの嫌味な言い方じゃない蛍に驚きながら
貴『ホントありがとッ!』
と笑顔で伝え友達の元に向かった。
その光景に
"チッ"と舌打ちをされているのにも気づかずに…