第10章 赤色の出逢い
夢杏もマネージャーの仕事を終え、お風呂に向かおうとしていた。
貴『え、真っ暗なんだけど…』
廊下がとても暗かった。
誰かについて来てもらおうと思い、大部屋に向かった。
烏野と音駒はみんな一緒の部屋。
その途中に飛雄と会った。
貴『飛雄!!ねえ!お願い!ちょっとついてきて!!』
影「は、どこに!」
貴『よし!来て!』
半ば強引に飛雄の腕を掴みお風呂場の方に向かった。
影「おい!どこ行くんだよ!」
貴『え?お風呂!まだ入ってないから!』
影「は、はあああ?!お、お前なッ!そんなら1人で行けよ!!俺はもう入ってっから!!」
平然と答える夢杏に顔を赤くして飛雄が動揺する。
貴『だって…廊下暗いんだもん…』
シュンとしながら、飛雄の腕をキュっと強く掴む夢杏。
影「(か、かわいすぎだろ…)ッ…わ、わかったよ、外で待っててやるから行ってこいよ」
貴『ホントに!!ありがとう!!』
笑顔になる夢杏。
これが無意識なんだから向けられた方はたまったもんじゃない。
影「お、おう///まず行ってこい」
夢杏は急いでお風呂に入り、ドライヤーで髪を乾かす。
パジャマに着替えて飛雄の元に向かった。
貴『おまたせ!』
影「…」
固まっている飛雄。
貴『え?どーした?』
その理由は1つ。
少し濡れている髪に上がダボっとしたスエット、下はショーパン…
そりゃ固まらない訳がない。
影「あ、あぁ!何でもない!いくぞ!(はあ?!コイツ正気か?!)」
貴『うん!』
そんな飛雄とは正反対に、いつも通りの夢杏。
貴『ねえ!大部屋遊びいきたい!』
影「は?!(その格好で?!)」
貴『え?ダメ?』
影「い、いやダメじゃねえけど…」
貴『やった!!よし!行こ!!』
ルンルンで歩く夢杏
影「(大丈夫か?やばくないか?)」
眉間にシワを寄せて歩く飛雄。
そうしているうちに、大部屋に着いた。
貴『お邪魔します〜!!!』
影「あ、お前、ちょっと待てッ…」
飛雄の話すタイミングと同時に夢杏が扉を開けた。