第9章 守りたいモノ
「なにしてんの?」
その声に驚き顔上げた。
貴『け、蛍ッ!』
そこに居たのは蛍だった。
月「夢杏ってさ、バカなの」
そう言いながら夢杏を立ち上がらせた。
ポカーンとしている夢杏をそのまま引き寄せる蛍
貴『けい??』
月「あのさ僕言ったよね?頼ればって、、なに1人で抱えてんの」
言葉とは裏腹に優しく抱きしめられる。
貴『…』
月「次は僕が守るから」
抱きしめてくれている腕の力が少し強くなった。
貴『あ…りがと…』
さっきまでの震えも孤独感もスーっと風が通ったように無くなった。
貴『て、てゆうか!蛍、なんでここに?』
離れようとする夢杏を引き戻し
月「うるさいな、、///」
貴『やっぱ蛍、優しいねニコッ!ありがとう!』
心配してきてくれた蛍が嬉しくて、"ギュッ"と抱きしめ返した。
月「ちょ、ちょっと///」
パッと離れる蛍。
貴『??』
月「なんでもないッ…行くよほら」
貴『え、でも蛍こっちじゃないでしょ?!』
月「いいから送ってあげるって言ってんの早く」
貴『ありがと!ニコッ』
お言葉に甘えてそのまま家まで送ってもらった。
月「夢杏って、1人暮らしなの?」
貴『あ、うん!言ってなかったっけ?両親、海外で働いてるからさ!』
月「へぇ、そうなんだ」
貴『それじゃ!ありがと!』
月「ねえ!明日の朝迎え来てあげる」
貴『へ?!』
突然すぎて変な声が出た。
月「まだ怖いデショ、だから一緒行ってあげるって言ってんの。あと、クラスでも僕が守るから安心して。それじゃ」
夢杏が返事をする前に行ってしまった。