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【名探偵コナン】愛が重い。

第1章 日常のはなし。


今日も今日とて怠い体に鞭を打って会社へと向かう。
……前に、通いつけの喫茶店へ行って朝食を食べるのが日課。


前は度々喫茶ポアロに通っていたけれど、安室さんが来てからというもの、安室さんが居ないのを確認してからではないと行けない様になってしまった。ハムサンドは美味しいんだけどね。

それで良いお店を探し、やっと見つけたのがこの店。
店主も気さくで良い雰囲気だし、ご飯も美味しく、落ち着いて食事を取れる喫茶店。



ドアを開けるとカランカランと心地良い音を響かせる。
私に気付くと店主は微笑んだ。ダンディで包容感を感じさせる雰囲気にはなんとも言えない良さがある。




「おはようございます、様」

「おはよー。月曜日の朝ほど怠い日は無いよね」

「本当ですよ。いつも通りオムレツ、ですよね?」




頷くともう一回微笑み、すぐに料理に取り掛かりだす店主。
その大きい背中を見詰めながら雰囲気を味わうのがこの店の楽しみ方だ。

すると、カランカランと音が響く。




「おはようございます。」




と店主が振り返って挨拶するのに対して、背が高い男は何も言わない。代わりにその後ろに立っていた男がぺこりとお辞儀をした。

まあ世の中色々な人が居るよな、と思った。

二人組の服装は真っ黒で、最近お騒がせしているというカラスを思い出してしまう。
危ない人かな と思ってしまうが、まあ小さい方はお辞儀したから大丈夫だろう。

ちらりと店内を見回し、背の高い、長い銀髪を艶立たせる男がカウンター席に座る。

………私の隣である。


小さい方はお辞儀をしてから店から出て行った。一体どういう関係なんだろうか。





「……ここに来るのは初めてですか?」

「…ああ。」




私が話し掛ければ、深く被った帽子から緑色の瞳を覗かせる。その眼力に圧倒されそうになるが、なんとか堪えて言葉を紡いだ。




「ここの主人はとても気さくで良い方ですし、ご飯もとても美味しくて。あ、オムレツがお勧めですよ!」

「……じゃあそれ」

「はい、只今。」




無愛想に言葉を投げる銀髪の男と、それを聞いて嬉しそうに微笑む店主。

なにこのほのぼのした雰囲気。社畜の心に染み入る。


それにしても、私の勧めに応じてくれたのは意外だ。

やっぱ人を見かけで判断してはいけないな、と思う。
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