第3章 極の二人
「僕、アリスさまとお話したいです。」
「なっ!だめです!!
そんなこと、ゆるされませんよ!!」
「どうしてですか!!
アリスさまは悪くありません。」
「わるいです!
あのひとのせいであるじさまは…」
「アリスさまのせいじゃありません!」
極になって、
一度も泣くことのなかった五虎退が泣いていた。
今剣も、
耐えられなくなって今にも泣きだしそうだ。
五虎退の言ったことは正しい。
主が死んだのは誰のせいでもないのだ。
そんなことはわかっている。
でも彼女の存在を否定しなければ、
心がめちゃくちゃになりそうだった。