第5章 ぼくの名前を呼んで
理由があれだけど、
一応…心配してくれてるのかな?
『あの…なんで今剣はここに?』
「あなたにかんけいありません。」
な、なかなかに手厳しいな…
『あ、ここの部屋なんだか大きいね。
粟田口の部屋かな?』
『部屋は刀派に別れてるんだよね』
『あ、さっきより大きそうな部屋だ…
ここは大広間とか?』
私の問いに答えが返ってくることはない。
やっぱり私、嫌われてるんだなぁ。
誰にも襲われることなく、
あっという間に離れの方に戻ってくることができた。
『あ、あの…どうもありがとう。』
返ってきた言葉は、唐突だった。
「ぼくのこと、きらいですか?」
また、うつむいてる…
真っ赤な目は伏せられている。