第4章 沖田組
「血がそうさせるのかもね。」
「僕達にバレてないと思ってるのかな?
ふふっ。」
「ねぇ、話かけてみない?」
「えっ?」
「俺、愛されたい。
あの子をずっと憎んだままなんて、
できそうにない。」
「実は…僕も。」
安定が困ったように笑う。
良かった。
俺だけかと思った。
「じゃ、気づかれないようにいこっか。」
「うん。」
そっと少女に近づく。
ほんとに、あの人に似てる…
主に会いたい。
目頭が熱くなるのをこらえて、
こんのすけを抱き上げて離れの方に戻ろうとする彼女の前に立つ。
咄嗟に出てきた言葉は最悪だった。
「何してんの?」
俺の馬鹿!!
もっと他に台詞あるだろ!!
あと、もっとやわらかく言えば良かった!!
怖がらせてしまったのか、
目の前の少女は小刻みに震えていた。