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紅く染まるまで、待って【気象系BL】

第6章 君に触れて


俺の過去をネタに脅されでもしてるなら
その方が言い訳としては成り立つだろう

利用してるのはお互い様で
コウタに助けられたからという理由をつけてなんだかんだ受け入れてしまうのは
好きとか
愛してるとか
そういうのとも違って

傷を舐め合う関係
それが一番しっくりくるのかもしれない




「あぁ……っ、雅、紀っ…」


「幸大…」



簡単に解れ、柔らかくなったその場所は
ついさっきまで誰かと通じていたのだと容易に解る

傷も増えてるじゃんか
どんなプレイさせられてんだ

クソッ…もう少し優しくしてやれないのかよ



「っ…、見な、いで……」



俺の視線が傷付いたその場所を捉えているのに気付いて
コウタが咄嗟にそれを手で覆った



「…痛くないか?」


「…どっちの事、言ってるの…?」


「その縄の痕の事」


「…痛い、けど…」



拒んだらまたゴミに出されちゃうし、なんて自傷気味に笑う

その笑顔が悲しいのに
薬物中毒の様に抜け出せないコウタと
救ってやる事の出来ない俺は
やっぱり似たもの同士なのかな

 



だから、せめて今だけは。





「…じゃあコッチは?」


「あぁっ……イイッ……!」




涙を流してヨガるコウタの首に掛けられた南京錠がジャラリと音を揺らした
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