第6章 君に触れて
「はっ…ぁぁっ……!ぁ、ぁ、深いっ……!」
「……っく、…はあっ……」
「イイッ……ぁ、雅…もっ、と…… ぁ、ぁっ……!」
根本までギチギチに挿れて揺さぶっても
コウタは決まって『もっと、もっと』とせがむ
“串刺しにされて死ねたら本望”
前にそんな事を笑って言っていたけど、あながち冗談でも無いのかもしれない
「ぁ、ぁ、イクッ…! イッ…ちゃ……!」
ビクビクと身体を震えさせて、前に触れる事なく絶頂に達したコウタが
朦朧としながら天を仰いで声に出さずに口を小さく開いた
『 し·あ·わ·せ 』
あげるよ
こんな事でしか与えてやれないけど
安い幸せでごめんな
いつか俺達が今の場所から抜け出せる日が来るまで
それまでは…
流れた涙の跡を拭って目尻に口付けた
俺も眠る事にするよ
コウタは、現在(いま)を。
俺は過去を忘れて
お互いにさ
幸せな夢を見ようか ―――