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紅く染まるまで、待って【気象系BL】

第6章 君に触れて


「つけ込んでる自覚があるんだ?」


「まぁね。
使えるモノは使わないと損でしょ? お互いに。
利害関係は一致してると思うんだけどね?」



いい加減僕に堕ちてよ、なんて笑ってるけど
本気なのか冗談なのかは読めない



「その、別荘で一緒に過ごした相手。
恋人なの?」


「…違うよ」


「そう。…じゃあそれまでは僕と、」



そう言って今度はさっきよりも深く口づけた



「…んっ…、」

「ん……はぁっ… まさ、き…っ」



角度を変えて舌を絡める。
息が上がりそうなほど貪り合うキスは、一年前にコウタから教わったモノ
忌々しい過去の記憶を塗り替えてくれたのは間違いなくコウタで ―――



「…ふぁっ…… …ねぇ、雅紀さんキス上手くなってない?
蕩けそうなんだけど…」


「教えたのはコウタだろ?」


「うん、僕だね」



嬉しそうにギュッと抱きつくから、俺もそっとコウタの背中に腕を回して抱きしめた



「政略結婚なんて辞めちゃえばいいのに…」


「…そうだね」


「許嫁なんて、いつの時代だっての!」


「まったくだ」


「雅紀さんは…幸せになんなきゃ僕が許さないよ」


「その台詞、そのままコウタに返すよ」


「だったら僕と…」



そこまで言って、コウタは口を噤んだ



「シようよ、雅紀さん。
全部忘れて、今だけは僕に堕ちてよ…」
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