第5章 最低で最悪なアイツ
「良かったね、カズくん!
相葉ちゃんに任せておけば安泰だよ〜」
「……」
あの後、相葉さんは上機嫌で帰って行った
『今週末、ニ泊三日でみっちりオベンキョウしようね♡』
って
…しかも、相葉さんの家じゃなく、別荘で。
「悪夢だ…」
「何か言った?」
「いや、何でも無いです…」
俺の事、可愛いとか言うし
“手取り足取り”の意味を知るのが怖い
誰も居ない別荘で二人きり… 果たして無事生きて帰れるんだろうか、
「でも突然の申し出にビックリだよ!
相葉ちゃん、週末はデートで忙しいのに、」
デート?
…なんだ、彼女がいるのか
「あぁ、そこは心配しなくていいよ?
相葉ちゃん優しいから、女の子からの誘いを断れないみたいで」
罪な男だよねー、って笑ってる
優しくなんかないじゃん!
そーゆーのは優しさって言わないでしょ?
弄んでんじゃないの⁉
「あー、カズくんが考えてる様な事じゃないよ?
きちんと断られた上で、それでも一度でいいからデートして下さい、って子が後を耐えないの。
相葉ちゃん、すっごくモテるんだよ?」
へぇ… あの人が。
確かにイケメンだし、モデルみたいな容姿だけど、
「二泊三日も一緒に居たら、カズくんも相葉ちゃんの事、好きになっちゃうかもね」
「有り得ない!!」
あるわけないそんな事
天地がひっくり返ったって、あるわけなんて無いだろ