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紅く染まるまで、待って【気象系BL】

第3章 約束


『ふはっ。智らしいな』

『何笑ってんですか。こっちは真剣に悩んでるっていうのに、』

『悩むって何を?』

『いや…』



智の父親である潤さんは、例え傷付ける事になっても誠心誠意答えてくれればいいと言ったけど
そうじゃない
そうじゃないんだよ



『あー、わかんねぇ…』







当時付き合っていた彼女は
ふわふわした感じの、可愛らしい子だった


似てたんだ、子供の頃の智に



何にも答えを出せないまま
曖昧なままで一年以上が経過して

そして
三年前の冬に、潤さんが事故で亡くなった
仕事で現場に向かう途中
山道で崖崩れに遭い、車ごと……






『……智の、事… 頼むな、翔……』


『潤さん!ダメだよ!逝くな…!』





智を頼む、と言い残して
潤さんは静かに息を引き取った

智は潤さんのご両親の元で暮らすようになり
告白の返事もまともにしてやれないまま、俺とは疎遠になった











『…あの子、人が変わったようになってしまって…
家に帰って来なくなって、夜遊びもしてるみたいで…』


潤さんのお母さんからの電話で知った、智の近況
何度電話をかけても繋がらないしメッセージも既読にならない

胸騒ぎがした俺は夜の街で智を探し続けた
まだ中学二年の智が行ける場所なんて限られてるはずだと


そんな時だった
大学の同級生で警察官になっていた小原から耳を疑うような情報を得たのは
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