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紅く染まるまで、待って【気象系BL】

第2章 二人の関係








「んふふ。美味しっ」



一口口に運んでは幸せそうにニマッと微笑む智さんは
年上とは思えないほど可愛らしくて

そして




「…綺麗。」


「ん?なんか言った?」


「あ、いや、別に、」




ちょっと強引で悪魔の要素も兼ね備えてるけど
男なのにふとした表情が綺麗で見惚れてしまう




「夢、だったんだぁ」


「夢…?」


「兄弟とか。
小さい時は翔くんが僕のお兄さん代わりだったんだ
翔くんはお父さんの後輩でね、時々僕に会いに来てくれるのが待ち遠しくてさ」




二人はそんな昔から知り合いなんだ
俺も一人っ子だったけど兄弟を望んだりはしなかったかな
まともな親だったら良かった、って思った事は何度もあったけど




「でも今は…
ね? わかるでしょ?」




…好きになってしまったから。
もう兄貴のように慕えない、って事なのか

でもそれはそれで良いんじゃないだろうか
好きな人と一緒に暮らせて、想い合えてるなら




「だからね
カズくんがうちに来てくれた事、凄く嬉しいんだよ?
弟が出来たみたいで」




智さんにそう言われて嬉しくないわけじゃないけど
やっぱり気になるのは翔さんとの関係で、




「知りたい? 僕達のこと」




しまった… 顔に出てたか

俺は黙ったまま小さく頷いた







「重いよ?」







クスッと笑って想いを馳せるように遠くを見つめる智さんは

やっぱり綺麗だった
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