第2章 二人の関係
「……ホントにコレ着て出掛けるんですか…?」
「何か異論でも?」
「いや、無いです…」
Tシャツにジーンズ
調節のベルトが少し長めなことを除けば極々普通のキャップ
スニーカーに小ぶりのクロスのネックレス
長いベストみたいな、何か
別に普通ってか
服装自体はオシャレなんだろうけれども
Tシャツとキャップは色違いで欲しかったから買った、というのは理解できる
だがしかし、だ
ジーンズとスニーカーとネックレスに至っては全く同じものだよね?
あと、ベストみたいな何かも。
なんで同じの2つ持ってるの?
予備なの?
洗い替え?
ネックレスも洗うの?
それとも買ったの忘れてまた買っちゃったの?
「カズくんなんだか不満そうだね…」
「そ、そんな事ないですよ?」
「動揺しちゃってるじゃん! ホントは嫌なんでしょ、僕と双子コーデするの!」
「嫌じゃないってば!」
瞳をウルウルさせて
ほっぺをプーッて膨らませて
なんだこの可愛い生き物は
「楽しみだなぁ。どこ行くのかなぁ」
「感情が込もってないよ…」
「わーい! 双子コーデ最高!」
こうなりゃヤケクソだ