第2章 二人の関係
「随分と賑やかだな」
スーツ姿の翔さんは朝からビシッと決まっていて
明るいとこで見ると改めてイケメンだなって感心する
「おはよう、翔くん! 珈琲で良い?」
「ああ」
…智さん、翔さんの奥さんみたいだ
甲斐甲斐しいし、笑顔が二割増しな気がするし
どんだけ好きなんだよ
…なんかちょっと妬ける。
「ところで智。和也に今日のスケジュールは話してあるのか?」
珈琲を受け取りながら翔さんが言う
「あ! すっかり忘れてた」
スケジュール?
何かあるんだろうか
「和也」
「っ、はい」
「俺は仕事だが… 健闘を祈る」
「……はい?」
ナニソレ。
なんなのその『ご愁傷様』みたいなモノの言い方はさ
「何かあるんですか…?」
「んふふ」
その笑い、怖い。
何か企んでるのか…?
いや、智さんに限ってそんな事…
「カズくんは今日は一日僕とデートだよ!」
なんだ。 デートか
…え? デート…???
「双子コーデしようね♡」
はいはい。双子コーデね。
その単語、聞いたことはある
…って、
「俺と?!」
智さんは『一回やってみたかったんだよね』なんてルンルンしてるけど
何かの罰ゲームだろうか
翔さんの『健闘を祈る』の意味が良く良くわかった気がした