第2章 二人の関係
「朝ご飯もう出来るからね
和食でよかったかなぁ?」
良いも悪いも、今まで朝食を食べる習慣自体が無かった
「はい、運んで!」
グリルから取り出された焼き鮭が、出汁巻き卵とほうれん草の胡麻和え、トマトを添えた二枚のお皿にキレイに乗せられて
なんて色とりどりな
絵に描いたような朝ご飯だ
鍋の中はお味噌汁だろうか
炊きたてのお米の匂いもしてる
「美味しそう…」
「ふふっ。きっと美味しいよ?
カズくんと一緒に食べられると思ったら嬉しくて。
一人じゃ朝から和食を作る気になれなくてさ」
淡いグリーンのランチョンマットの上には既にお箸とグラスが用意されてる
魚の形の箸置きが可愛い。…これはヒラメか?
「平目だよ。」
クスクス笑う智さんに、心の中を読まれてる気がした
「あの…翔さんは?」
「そろそろ来ると思うよ。
朝は珈琲しか飲まないからだいたいこの時間に起きてくるんだ
さ、食べよ!」
家主抜きで良いのかなと思いつつ、向かい合わせに座って揃って『いただきます』をする
「…美味っ」
「ふふっ。よかった」
好きな食べ物は何か?とか
アレルギーは無いか?とか
そんな話をしながら朝食を摂った
智さんが作るものはどれも美味しくて自然と頬が緩む
「カズくん、今、笑ったね」
「え…?」
「んふふ。なんでもないよ」
そう言う智さんも嬉しそうに笑った