第2章 二人の関係
同年代の男子に比べたら、性欲は極端に少ない方だと思う
溜まった熱をやり過ごそうと、無心になる事に集中した
そして知らぬ間に、また深い眠りに堕ちて行く
夢を見た
真っ暗な闇の中で、一人泣いてる俺
『大丈夫だ ―――』
誰かの声がして、顔を上げると遠くに明るい光が射している場所を見付けた
俺は、その光の方へと歩き出す
もう、哀しくなんて無かった
次に目を覚ましたのは朝の6:17
あ…此処…そっか、アパートじゃないんだ
「喉、カラカラだ」
昨日は結局あのまま布団に潜り込んで何も飲まずにいたから
ベッドから起き上がると部屋を出てリビングへと向かう
なんだかイイ匂いがする
ガチャリとリビングのドアを開けると、智さんがキッチンに立っていた
「おはよう、カズくん。早いね!」
ニコリと微笑む智さんからはもう昨日のあの艶っぽさは感じない
ポロシャツに足首が出る丈のズボン
寝間着の、サイズの合っていないTシャツ姿じゃない事にホッとした
「…おはようございます。水、一杯貰ってもいいですか?」
「水? 水でいいの?」
冷蔵庫から取り出したミネラルウォーターをハイ、と手渡される
水道水でいいんだけどな
そう思ったのが智さんに伝わったのか、『水道水は塩素が入ってるからダメだよ?』と先回りして言われて
頷きながら、こっちの生活に慣れなきゃだよなと苦笑いした