第10章 揺れる
『 中学に入ってからは孤独だった
親も、教師も、同級生も...誰の事も信じる事が出来なかった...』
『 父から離れる為に、叔父が経営するこの高校を受験する事に決めた...
合格が決まって...羽根を伸ばしたくて暫く1人で別荘で過ごそうって思って...
その道中で、衰弱した状態でビニール袋に入れられて捨てられてた男の子を保護した...』
『 一年と少し、かな...傷を舐め合う様に俺達は...何度も身体を重ねた...
俺は、過去を
アイツは現在(いま)を塗り替える為に...』
『別荘からカズくんを送り届けたあの日...許嫁の彼女とホテルで食事をして直ぐに別れて...ホテルの部屋で待ってたアイツをそのまま抱いた...』
『 カズくんからのメールを見た俺に、ソイツが言ったんだ
“上手く行くといいね”って。
“バイバイ”って...』
『 次の日の朝のニュースで知ったんだ
アイツが...コウタが、殺された事を........』
相葉さんの腕の中で、ただ黙って話を聞いていた
時折、言葉にするのが苦しそうだと感じたりもした
最後の方は俺を抱きしめる腕が
小さく震えていた