第8章 兄として、物申す!
先にお風呂に入っておいで、とカズくんに声を掛けて
僕は夕飯作りのラストスパートをかける
お赤飯はお米の俵屋さんの自慢の一品だし、鯛のお造りは舟盛りにして、筍の煮物、ローストビーフや伊勢海老、鮑なんかはお重に詰めて、蛤のお吸い物も用意した
「今夜はまた随分と豪華だな。どうしたんだ?」
「あっ♡ 翔くんおかえり♡ 実はね…」
二人の事を話すと、翔くんの眉間のシワが深くなった
「和也がそう言ったのか?相葉くんと付き合ってるって?」
「翔くん僕の話信じてくれないのっ⁉」
「智の早とちりじゃないのか?」
「嘘じゃないよ!だって、」
相葉ちゃんの事、見かけによらずスゴイんだって
いっぱいシゴカレたって
次はイケそうな気がするって
そう言ってたもん!
「イマイチ信じ難いが…もし本当なら和也の保護者として一言言っておかないとな」
「一言、って?」
「和也を泣かせる様なマネをしたらいくら相葉君でも許さない。って」
翔くん…
「うん、僕も!
僕も相葉ちゃんに一言物申す!」
親友だけど、そこはカズくんの兄としてちゃんと言っておかなくちゃ!
カズくんを泣かせたら僕だって許さない。
だってカズくんは僕の大事なたった一人の弟なんだから