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紅く染まるまで、待って【気象系BL】

第7章 Heaven or hell









「シャワー、浴びておいでよ」


「…そうする」


「…、雅紀さん…!」


「…ん?」


「…ううん、なんでもない」



携帯の画面をテーブルに伏せて、シャワールームへと向かった
頭から熱いシャワーを浴びると、あの忌まわしい記憶が蘇っては消えていく






『これさ、すげぇーイイから観てみろよ!』

『“素人童貞狩り!ハーレム天国”?』

『ハーレムとか男のロマンだろ!』



あぁ…
コンビニの駐車場にたむろしながら、頭の悪そうな高校生達が恥ずかしげもなくアダルトビデオの貸し借りの話をしてた時の事まで思い出した


何が、ハーレムだ

何が、天国だ


ふざけるな ―――












「コウタ?」


濡れた髪をタオルで乾かしながら薄暗いベッドルームへ戻ると、そこにコウタの姿はなかった





“雅紀さんへ

パパのとこに帰るね。バイバイ。 

幸大”



南京錠のかかった赤い首輪
コウタにそれを着けた飼い主の所に帰ったんだな
その人にどんな仕打ちを受けたって、いつだってコウタは必ず朝までにそこに帰るんだ
忠実な犬みたいに

次に会った時、また傷が増えてないといいけど…
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