第2章 夢か現か
「…イったか」
体を起こした彼が、口元を拭いながらこちらを見下ろしてくる。
初めて味わった"絶頂"に、私はただ息を乱し動けずにいた。
「…へばるのはまだ早いぜ?本番はこれからなんだからな」
「ぁっ…!」
そう囁いた後、今度は耳に舌を這わせてくる彼。
その手は再び下腹部へ伸び、ぐちょぐちょに濡れた秘部を弄ってくる。
「ゃっ、ぁっ…ん」
「…これだけ濡れてれば指くらい入るだろ」
ぬぷっと音を立てて少しずつ彼の指が中に入ってきた。
その反動で自然とソコに力が入ってしまう。
「コラ…そんなに締め付けんな」
「っ…、だって……」
「…俺の指食い千切るつもりか?」
口ではそう言うものの、彼の口調はどこか嬉しそうだった。
指を抜き差しさせながら、相変わらずくちゅくちゅと耳を愛撫してくる。
(だめ…こんなのおかしくなる…っ…)
「はぁっ…ぁっ、ぁんっ…」
「…エロい声……早く入れてぇ」
「っ…」
太腿に押し付けられた熱い塊…
ソレが彼のモノだという事は、処女の私にも容易に理解出来た。
それと同時に忘れかけていた恐怖心がまた蘇ってくる。
「安心しろ…痛くないようにじっくり時間を掛けて解してやるから」
「んんっ…!」
キスをしてきた彼の指が1本増やされた。
痛みは感じない…それどころか快感は増すばかりで…
「ひぁっ…!」
「見つけた…ココだな」
「やめっ…、ソコ…っ…!」
ある一点に触れられると、それまで以上に体が反応してしまった。
頭のてっぺんから爪先まで痺れるような激しい感覚…
無意識に彼の腕を掴んだが、案の定片手であっさり両腕を拘束される。
「…気持ちイイんだろ?その快楽に全てを委ねろ…そうすればもっと良くしてやる」
「ゃっ…」
まだ僅かに残っている理性がその言葉を拒絶した。
怖くて堪らない…これ以上の快楽を与えられるなんて、自分自身がおかしくなってしまう…
「強情なヤツ…。まぁ俺はそんな女も嫌いじゃない」
「……、」
「お前を堕として服従させる楽しみが出来るからな…」
「っ…」
一瞬彼の紅い瞳がギラッと光ったような気がした。
そして再び与えられる強い刺激…
生理的に零れた涙を彼が嬉しそうな表情で舐め取ってくる。
.