第1章 入学式
「それでー、入学式のあれはなんだったん?」
入学式、HR、自由時間と言うなの自己紹介を終えた俺と蓮は早速野球場へと足を進めていた。
「あれってなんだ」
「うっわー白々し〜」
「何がだ⁉︎」
「だから遅刻だよ。入学式から」
そう俺は入学式早々に遅刻をした。
理由は簡単だ。
皆は新入生代表の言葉というものを知っているだろうか。
新入生代表の言葉は大抵この学年の中で総合的に優秀だった人が行うのだが、色々あって校長直々にやってくれとのことで嫌々ながら引き受けた。
誰しも校長直々に言われたら嫌でもやるだろう。
逆に断れる人は勇者だと思う。
それを昨日告げられた俺は急いでその言葉を考えていたのだが、そう簡単にはできず深夜まで続き、できた頃にはもう2時をまわっていたということをふまえ
「寝坊だ」
そう答えた。
「寝坊ォ⁉︎うける。お前が寝坊とか」
「お前に言われるのは心外だな。お前に言われるのは」
「酷っ⁉︎まぁ俺は寝坊常習犯ですから‼︎」
なんて言いながらドヤ顔をしているがそこは自慢すべきとこでも、開き直るべきとこでもないんだが…。
「おっ、ついたぜ野球場」
「あぁ」
野球部は校長の趣味ということで今年からできた。
そのため野球場は校舎から少し離れた裏にある。
今更学校内に野球場を作るなどとうことや、校長の作るなら大きめがいいというまぁ我儘で結果この場所になったのだが、いいことにすぐ近くにバッティングセンターもある。
校長さまさまだぜ。
でもまぁ本当にありがたいがな。
俺はそんな野球場の中に入る。
ともう何人かいるみたいで、その輪の中に俺たちも入っていった。