第1章 入学式
輪の中にはおそらくいるであろうと思っていた人物がいた。
「えーっと。これで全員かなー?……おーお前らも来たかー」
「まっさんはよーっす」
「おう。おはよー。じゃあミーティングはじめっぞー」
この会話は上から順にまっさん→蓮→まっさんである。
お前らっていうのは、担任だからクラスの奴は知ってるっていうことではない。
蓮がやたらとまっさんを気に入ったらしく、休み休みにまっさんにあったら毎度絡んでいるためしかたなく、しかたなく覚えたんだ。
と俺はそう思う。
「よーし。じゃあポジション決めようか」
「決めるってどうやるんすか?」
まっさんに質問をする蓮。
「調査?とかじゃないか?」
蓮の質問に対して輪のうちの一人が答える。
「そう。正解。どうやるかっつーと前のポジションをもとにするのは当たり前なんだけど…これからテストをする」
「「「「テストォォォォォ⁉︎」」」」
まっさんのいきなりの発言でここにいた全員が叫ぶ。
叫ぶというよりも絶叫のほうがただしいかもしれないが、そんなことより
「そんなのきいてないっすよ!」
隣にいる蓮が皆を代表するかのように先生に反論する。が…
「あぁーいってないよ」
「じゃあなんで⁉︎」
「テストっていってもポジションを決めるだけだし、誰が来るかもわからない。そんなの伝えようもないからな」
なっ⁉︎
抜き打ちテストかよ⁉︎
「先生一つ聞きたいんすけど…」
さっき蓮の質問に答えた奴が聞く。
「なんだ?」
「先生…野球経験は…」
「ない」
まっさんはその質問に対して真面目に、だけど即答した。