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黒子のバスケ*Short Stories3

第18章 隣にいる理由が変わった日*黄瀬*


「マネージャーだから」ということは沢山あって。

黄瀬くんがバスケしているところを間近で見られること。

部に必要な存在だから、何かと話しかけてもらえること。

何より、隣にいられること。

もし私が想いを告げてしまったら、そんな日常がなくなってしまうかもしれない。

黄瀬くんの何気ない言葉や行動にドキドキして、嬉しくなって。

キラキラした笑顔を見るだけで、私まで笑顔になれる。

想いが繋がることがないのなら、ひっそりと想い続けていよう。

そうすればあと2年はこのまま一緒にいられる。

とりあえず「っち」って呼んでもらえているから、尊敬はされているみたい。

でもその感情は恋じゃないって、これ以上の幸せは望まないって、そう心に刻んでいるのに。

部活が終わって、主にスタメンが自主練へと入り始めた。

「っち、今日もまだ仕事残ってるんスか?」

「うん。ボール磨いておこうと思って。」

「そうスか…。俺も手伝おうか?」

「大丈夫。黄瀬くん今日も最後までやるでしょ?私鍵閉めるから、終わったら声かけてね。」

「…ありがとね。」

私の頭をくしゃりと撫でて、黄瀬くんは自主練へと向かっていった。

ほら、そんなことされるとまた鼓動が速くなる。

何かと仕事を作って、黄瀬くんの自主練が終わるまで密かに待っている欲張りな私には勿体ないほどのご褒美。

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