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黒子のバスケ*Short Stories3

第17章 1月31日*黒子*


1月31日、まだ薄暗い朝に、朝練で早く家を出る彼を待つ。

吐く息は真っ白で、冷たい空気が顔に刺さる。

家の前で待つなんて重たいって思われるかもしれない。

だけど、誰よりも先にお祝いしたかった。

「行ってきます」と扉の向こう側で小さく聞こえたと思ったら、扉が開いてマフラーに顔を埋めるテツくんが現れた。

「テツくん。」

名前を呼ぶと、私の声に気付いたテツくんは目を見開いて駆け寄ってきた。

「…!どうしたんですか、こんな朝早くに。」

テツくんは私の頬に両手を添えると、ぎゅっと眉を寄せた。

「…いつから待っていたんですか。冷たくなってしまって…。」

心配そうに私を見つめる眼差しに少し反省しつつ、触れられた手に自分の手を添えてすりよった。

「テツくんに一番におめでとうって言いたかったの。…誕生日おめでとう!」

紙袋を差し出すと、テツくんはまた目を丸くして、今度は柔らかく笑ってくれた。

「…ありがとうございます。中を見てもいいですか?」

「あんまり自信はないんだけど…どうぞ。」
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