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黒子のバスケ*Short Stories3

第16章 大切な君に世界一幸せな未来を*緑間*


夜はお母さんと一緒に料理して、家族水入らずで夕御飯を食べた。

私が好きなお母さんの唐揚げやポテトサラダ、お味噌汁が食卓に並んだ。

いつもと変わらない夕食の光景だけど、ちょっと切なくて。

でもそれはお父さんもお母さんも同じだと思うから、最後の夜は笑顔でいよう。

「おい、。それ食わねぇならよこせ。」

「やだ!ゆっくり味わって食べてるの。大輝みたいな大食いとは違うんだから。」

「人をバカみたいに言うんじゃねぇよ。」

「え?バカじゃん。」

そう言うと、頭をべしっと叩かれて、痛がってるうちに唐揚げ一つ盗まれていた。

私の隣に座る片割れとの子供みたいなおかず争奪戦も滅多に出来なくなるのか。

ふと思うと、何だか感慨深くなった。

それにしても大輝は一体どう思ってるんだろう。

相変わらずバカみたいにご飯食べて、またお母さんにおかわりねだってる。

まぁ真ちゃんとは中学からの仲だし、よく知ってる二人が結婚するというのは大したことないのかも。

明日のこともどうせ「朝早くてタルい。」とか思っちゃってるのかな。

血を分けた双子の兄。

あんまり似てないけれど、思考回路は似ているみたいで考えていることくらいはわかる。
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