第2章 Happy New Year! 2014*氷室*
「二礼二拍手一礼?」
「うん。鈴を鳴らしてお賽銭を入れたら二回90度にお辞儀して拝んで、二回胸の前で手を叩いて、最後にもう一回90度にお辞儀して拝むんだって。」
辰也に何かを教えるなんてこと滅多にないから、少しだけ得意気に話してみた。
二人で神前に並び、姿勢をしゃんと正した。
まずは手本を見せるように私から一連の動作を行い、後ろに下がった。
辰也の参拝を眺めていたら、本当に様になっていて、その流れるような動きについつい見とれてしまった。
「?どうしたの、ぼんやりして。」
「…っ!ううん、何でもないの。あ!辰也おみくじ引かない?」
目が離せなかったなんて恥ずかしくて言えなくて、照れ隠しに目に入ったおみくじに誘った。
「今年の運試しってところかな?やろうか。」
ガラガラと御神籤箱を振り、巫女さんからおみくじを受け取った。
開いてみると。
「凶…。」
なんて幸先の悪い!
占いがすべてじゃないけど、やっぱり凶だと複雑。
隣を見れば、辰也はおみくじを読みながら何だか嬉しそう。
「大吉だ。今年は良い年になるのかな。」
「…辰也ずるい!」