第2章 Happy New Year! 2014*氷室*
「、凶か…。じゃあ俺のやつあげるから、のやつくれない?」
差し出された大吉に目を丸くして辰也の方を見やれば、いつもの柔らかな笑顔だった。
「え?でも辰也、折角の大吉だよ?いいの?」
「これを引き当てるくらい運は強かったってことだろ?がお守り代わりにしてくれればいいよ。」
「ありがとう…。」
しょげる私に気を遣ってくれた辰也の優しさが嬉しかった。
私のおみくじを辰也は受け取って財布にしまった。
「二人でいれば中吉くらいに緩和されるんじゃない?」
「そうだね!」
そして鳥居を潜る前に軽く会釈をして神社を後にした。
お昼御飯でも食べようかと、駅前に向かって歩いていると、辰也は一つ問い掛けてきた。
「神社には神様がいるんだよね?」
「そうだよ。どうして?」
「神様に誓ってきたんだ。ずっとを幸せにするって。」
突然のプロポーズのような言葉に心躍りつつも、あのジンクスが頭を過ってしまった。
「辰也!願い事言っちゃったら叶わなくなっちゃう!」
すると辰也はきょとんとした様子で、私を見つめて微笑んだ。
「これは願いじゃなくて誓い。必ず守る約束だよ。」
辰也が言うと何でも本当になってしまいそう。
彼の誓いが現実になりますように。