第13章 スターライトパレード*赤司*
休みになった日曜日、電車で1時間ほどのその場所に到着すれば、駅を出た瞬間賑やかな光景が現れた。
隣を歩くは目に見えて嬉しそうで、いつもと違う私服姿もまた新鮮だった。
「征くん、本当に初めて来たの?」
「ああ。元々は東京にいたし、遠出をする暇なんてなかったからね。それに…」
「それに?」
「恋人と出かけることすら初めてだ。」
そう伝えれば、ははにかむように微笑んで、より足取りも軽く歩きだした。
ゲートをくぐり、園内の地図を眺めながらは少し考え込んでいる。
すると徐に僕の手を掴み、一歩前に歩み出て僕の手をくいっと引いた。
「征くん!まずあのジェットコースター乗りたい!行こう!」
が指差したのは園内にレールが広がる大きな大きなジェットコースター。
あどけない笑顔を向けられてしまえば、断ることなんて出来るわけがない。
「わかった。…行こうか。」
少しの間列に並び、順番が回り乗車すれば、足の置き場がないタイプのものだと気付く。
「このタイプのものに乗るのは初めてだ。」
「本当?宙を浮いてるみたいな感じだよ!楽しみー!」
乗ってみればまさにの言う通りで、スリルはあるが空を飛んでいるように心地よかった。
ちらりと横目で隣を見やれば、楽しそうに声高らかに叫んでいる彼女の姿が見えた。
乗り終わるとまたが僕の手を引き、また駆け出そうとする。
「征くん、次はあっち行こう!混んじゃうから早く早く!」
…息をつく暇はなさそうだ。