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黒子のバスケ*Short Stories3

第6章 最初で最後の放課後*笠松*


「、日誌書けたか?」

気付けば黒板はピカピカになっていて、笠松が前の席に座って向かい合った。

「あ、うん。あとは名前書けば終わり。」

笠松が頬杖をつきながら、日誌をまじまじと見ている。

「お前、意外と字きれいだな。」

「…意外とは余計だよ。」

「冗談だって。」

空白の日直の欄に名前を書く。

「日直:笠松幸男、。」

わかっていたはずの彼の名前を改めて目にすると、やっぱり素敵な名前だなって微笑ましくなった。

「笠松の名前っていい名前だよね。幸せな男だもん。」

「そうか?あんまり自分じゃ気にしたことなかったな。」

「幸男…。」

無意識に初めて彼の名前を口にしていて、はっと我に返ったら恥ずかしさが込み上げてきた。

「ご…ごめん!つい…。」

顔を上げたら、正面の彼もまるで夕陽に照らされているかのように顔が赤く染まっていた。
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