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黒子のバスケ*Short Stories3

第50章 眠り姫がくれた奇跡*高尾*


11月21日、サイド


目を覚ましたら自分の記憶から約1年の月日が流れていた。

事故に遭ったショックでずっと眠ってしまっていたらしい。

お母さんが和くんに連絡してくれたみたいだから、来てくれるまで枕元にあったノートを読んで待つことにした。

大体部活のことが多くて、その中に緑間くんとのやり取りのこととか、美味しかったもののこととか、本当に些細なことでも書いてくれていた。

あるページで私の手はピタリと止まって、その言葉をゆっくりと目で追った。

涙で視界が滲んで頬を滴が伝っていった。

こんなにも自分を想ってくれている人に出会えたことは奇跡に等しいのではないか。

運命の相手だと思ってしまうのは早すぎるかな。

そうであっても運命と信じたいし、これから待っていてくれた分、一緒に過ごせる時間を大切にしよう。



WCの予選始まって、中々会いに来られなくなってごめんな。

本選進んで、今年こそ絶対優勝するから。

そろそろ起きてくれないと、また優勝するとこ見逃すぜ?

これに色々書いてきたけど、やっぱりちゃんと直接話したい。

当たり前で気付けなかったけど、何気ない会話でもちゃんからたくさんパワーをもらってた。

一緒に笑ったり、たまには喧嘩したり、どんな時でも幸せだった。

いつになったら目、覚ましてくれるんだ?

早く笑った顔が見たい。

早く声が聞きたい。

早く会いたい。

俺はずっと待ってるから。

俺はずっとちゃんが好きだから。
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