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黒子のバスケ*Short Stories3

第50章 眠り姫がくれた奇跡*高尾*


ちゃんは去年の冬、ちょうどWCの決勝の日からずっと眠り続けている。

あの日、3位という結果にやはり満足出来ず、引退する先輩たちの意思を引き継いで来年こそは優勝しようと意を決して学校に戻った。

どうしても自主練してから帰りたい、と彼女に言ったら、時間も遅いし今日は先に帰るね、と言って別々に帰ることになった。

そんなに珍しいことではなかったし、今までも試合前なんかは遅くなるし先に帰ってもらっていた。

一緒にいなかったその日に限って、彼女は事故に遭ってしまった。

幸いにも怪我は順調に回復したが、何故だかずっと目を覚まさない。

精密検査をしても特に異常は見られないとのことだったので、事故のショックが原因かもしれないそうだ。

当然のように毎日一緒だった日常が、今では手が届かないものになってしまった。

失って初めて大切だと気付くとはまさにこの事なんだと、経験してわかるのは皮肉なことだった。
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