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黒子のバスケ*Short Stories3

第47章 きっかけはラブソング*宮地*


距離が縮まると、もっともっと側にいたくなる。

前はたまに話せるだけで満足していたのに、恋をすると欲張りになるようだ。

「宮地!」

教室の外から女の子の声が聞こえて、ついその方向へと振り返ると宮地が知らない女の子と楽しそうに喋っているのが見えた。

ちくちく痛む胸を抑えつつ視線を外そうとした時、宮地が彼女に手渡したものがあのアイドルのCDだと気付いてしまった。

目を逸らす寸前で一瞬宮地と目が合った気がした。

私しか知らないと思っていたあの宮地の笑顔をあの子も知っているんだ。

一気に息が苦しくなって、気を緩めれば涙が溢れそうだった。

あぁ、私はこんなにも宮地のことが好きだったんだ。

「、どうした?」

頭の上から声が落ちてきて、見上げればどうやら話し終えた宮地が私を見下ろしていた。

「…何でもない。ちょっと眠たくてボーッとしてた。」

嘘をつくのは心苦しいけれど、宮地と話してた女の子に嫉妬してました、なんて絶対言えない。

うっすらと浮かべる作り笑いにきっと宮地は気付かないだろう。

「…ちょっと来い。」

「へ?」

不意に手首を掴まれ立たされたと思ったら、宮地は私の二歩も三歩も先を歩き、上へ上へと階段を昇っていった。
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