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黒子のバスケ*Short Stories3

第47章 きっかけはラブソング*宮地*


「。」

翌日教室で名前を呼ばれて振り返ると、宮地が昨日のCDショップの袋を私に差し出した。

「あ、昨日のやつ?でもいいの?買ったばっかりなのに。」

「もう落としたから。あと、アルバム一枚入れといた。そっちも聴いてみろよ。」

「うん!ありがとう!」

友達の所へ戻っていく宮地の背中を見送りながら、心がじわりと暖かくなるのを感じていた。

「って宮地くんとそんな仲だったの?」

「違うって!昨日たまたま帰りに会ってね…。」

誰にも宮地を好きだなんて言っていないためか珍しく見えたようで、また昨日の出来事を話す羽目になってしまった。

それから私の登下校のお供は宮地から借りたCDの曲たちになった。

聴く度に宮地の顔が浮かんで、幸せな気持ちで満たされていった。

宮地が一人になるタイミングを窺っていて、中々CDを返せなかったけれど、やっとそのチャンスが訪れた。

「宮地、これありがとう。」

「おう。どうだった?」

「良かったよ!この曲とか、結構好き。」

「やっぱりそう思うか!?中々わかってもらえねぇんだよ。またPVのみゆみゆが可愛くてさ!」

話が弾んで、にかっと明るく笑う宮地に、思わず鼓動が跳ねた。

一つ繋がりが生まれただけなのに、どうしてこんなに距離が近づいたように感じるんだろう。

二人だけの秘密を共有しているみたいで、ますます好きの気持ちは膨らむばかり。
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